平和な世が続くための種まき
突然ですが、6月23日は何の日かご存じでしょうか。
答えは「沖縄慰霊の日」です。
先の太平洋戦争での日本の領土である沖縄にアメリカ兵が上陸し、地上戦が行われました。その「沖縄戦が終結したとされる日」です。
沖縄では毎年、糸満市摩文仁の平和記念公園や各地の慰霊塔で追悼式が行われています。
その追悼式で2013年に当時小学一年生の安里優生さんが自作の詩を発表しました。
それが「へいわってすてきだね」という詩です。この詩は後に長谷川義史さんによって絵本になり、学校の図書館にも置いてあります。(先日、1年生の授業で、この絵本を紹介しました。)
また、2~5年生のクラスには「爆弾になったひいじいちゃん」という絵本を読み聞かせ、感想を提出してもらいました。
この本は、太平洋戦争末期、神風特別攻撃隊という作戦によって命を犠牲にせざるを得なかった若者たちのお話です。
当時は「日本の国を守る為、日本国民のために命を懸ける」という思想が正義であり、17歳~32歳、計3948人の若者が戦闘機と共にその命を戦争のために失いました。
今の世の中では考えられないようなことですが、79年前の日本ではそのような史実があったわけです。
戦争の話を今の子どもたちに話すと、重たい雰囲気になり、できれば聞きたくないという雰囲気になります。ただ、犠牲になった人たち、過去の戦争という過ちがあったから、戦後日本国憲法には第九条ができ、戦争の放棄と明確に記載してあるわけです。
この憲法が戦後79年間、日本が戦争の無い平和な国を維持することにつながりました。
爆弾になったひいじいちゃんの絵本にはこんな一説があります。
「ぼくらが命がけでつなごうとした未来は、命をかける価値はありましたか」
特攻で亡くなった人たちの命は本来失わなくてすんだはずの命であると思います。その人たちが命をかけて日本の未来を守ってくれたというのは都合の良い後付けなのかもしれません。
ただ、この過ちを二度と繰り返さないために憲法第九条ができ、戦争の放棄を定められたはずです。
そんな先人たちの平和への想いを少しでも感じてほしいと思いました。
子どもたちには平和のためにできることを二つ伝えました。
1つ、18歳になったら選挙で投票ができるので、その時に平和な世の中を作ってくれる人を見定めて投票できるようにしようということ。
そして、もう1つは戦争がいやだというのであれば、まず自分たちのクラスからケンカをなくすようにしようということ。それでもケンカしてしまったときは、必ずごめんなさいと心からあやまってなかなおりすること。
そんな身近なところから平和は始まると伝えました。
最後に、日本の為に国民の命があるというのは過ちです。
私的な意見かもしれませんが、
「私たち一人ひとりの幸せのために日本という国がある」
そんな国にこそ未来があるのだと思っています。